帯状疱疹の痛み

 身体の痛みを訴える方の中に

帯状疱疹(ヘルペス)が

原因のものがあります。

 帯状疱疹(ヘルペス)は、

子どものときにかかった

水ぼうそう(水痘)のウイルスが

水ぼうそうが治った後も、

脊髄近くの神経節に潜み免疫力が低下したときに

再び活性化し神経を通って皮膚に発疹ができるものです。

身体の左右どちらかに神経に沿って帯状に発疹ができます。

(最初は数粒でも翌日には増えていきます)

 

ここのところ帯状疱疹の疑いがある患者さんが数人来院されました。

 皆さんがまだ帯状には広がっておらず、

発疹の数も多くはなかったのですが、

痛みの訴えと発疹の場所が一致するところもあり、

皮膚科の受診を勧めたところ

すべて帯状疱疹ということでした。

 

鍼灸治療の場合痛みのあるところの皮膚を

直接診ることができるので

痛みを訴える場所に発疹があれば帯状疱疹を疑います。

 

また、皮膚に何も変化がなくても

チクチクとした痛み、ピリピリとした違和感、

虫が這う感じなどがある場合、

数日して発疹ができることがありますので

ご自身で観察していただきます。

 

発疹と体の痛みは直接関係ないと思っている方も多いのですが

帯状疱疹は早めの治療が大切になります。

 

症状が悪化すると数パーセントの患者さん

(高齢者や皮膚症状が重症だった場合)は発疹が消えた後も

痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」に悩まされることがあります。

 

夏場は特に汗疹や虫刺されによる皮膚症状が多い時期で

帯状疱疹を汗疹や虫刺されと勘違いして市販の薬を塗ったり

放置すると、長期にわたり痛みに苦しまれることにもなりかねません。

 

今まで重度の帯状疱疹後神経痛の患者さんを
何人も診る機会がありました。

殆どの方がいろいろ治療をうけてなかなか改善せず、

痛みと上手に付き合うしかないと言われ、鍼灸治療を希望されます。

 

発症後、皮膚状態が落ち着いてから
日にちが経っていない神経痛で

軽度の場合鍼灸が功を奏することは何度も経験しています。

 

高齢者に多い疾患なのでご家族に高齢者がいる場合、

痛みを訴えている場所に発疹ができていれば

速やかにかかりつけの病院等で受診を促してください。

痛みのある湿疹がある場合は注意が必要です。

 

今夏は、夏バテもすでに出ていて、
免疫力、抵抗力が低下ていることもあり、
帯状疱疹が多く発症しているようです。

注意深く、そして迅速に対処してくださいね。